妻木城址の会30周年の節目にあたって

妻木城址の会は、平成7年(1995)2月24日に準備会が発足し、同年10月29日に「妻木城址の会」として正式に発会しました。今年、令和7年(2025)は30年の節目の年を迎えます。これはひとえに会員諸氏の尽力と関係各位の理解と協力の賜物であったことに感謝申し上げます。

整備活動

城址の会の活動は、草刈作業などの準備事業やふるさと講座・歴史散策・研修旅行などの通年事業のほかに、妻木さんサミット・文化財展・かがり火コンサート・火縄銃の実演などの特別事業も多数行ってきました。会の活動も年々定着していきました。

平成30年(2018)4月19日、明智光秀を主人公とする大河ドラマ「麒麟がくる」の制作が発表されました。これにより明智光秀ゆかりの地案内所が設置されていきました。東濃地方では可児市・恵那市にドラマ館がオープンしました。土岐市では妻木公民館を拠点とし、城址の会がその主体となりました。城址の整備、案内看板設置、妻木公民館の観光案内所の準備に多忙な日々が続きました。旅行会社企画のバスツアーが始まり、妻木城を訪れる人も日に日に多くなっていきました。

案内看板

しかし、大河ドラマはスタートからつまずきました。織田信長の妻の配役交代により初回放送が令和2年1月5日から2週間延期されました。その後新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により収録が中断されて、放送は6月7日を最後に、8月30日の再開まで3ヶ月近く休止されました。

妻木公民館に設置された観光案内所も4月・5月の2ヶ月間の休止が余儀なくされるなどその後の運営にも困難なものがありました。

明智光秀ゆかりの地 観光案内所

城址の会の通年事業である歴史講座や歴史散策などもコロナによって中断し、流鏑馬に合わせて行われていた火縄銃の実演はコロナによる中断と、県道バイパスの開通によってやむなく中止になりました。しかし、そんな中にあっても、草刈作業や登山道の整備などは変わらず続けられてきました。

曲輪3からの眺望
曲輪3からの眺望

コロナ渦の活動停滞は、地域の皆さんへの働きかけがおろそかになったこと、活動の中心メンバーの高齢化など若い世代の取り込みが出来なかったことなど、今後の課題がはっきりしてきました。

令和7年度は妻木城址の会の原点に立ち返り、新たなスタートの年になる事を願っています。

妻木城址の会 会長 黒田正直