妻木城址の会とは

1.会の誕生
子どもの頃から慣れ親しんできた妻木の自然と歴史は、戦後の高度経済成長期に大きく変容しました。昭和40年代後半、城山の麓に広がる御殿跡が県道によって分断され、これによって貴重な遺構が消滅しただけでなく、周囲の景観も大きく変わりました。そして相前後して苔むした石垣が段々に積まれたかつての屋敷跡には新しい住宅が建ち並びました。廃城以来300年以上にわたって保たれてきた城跡の景観に大きな危機が訪れました。

2.会の活動
妻木城址の会は、妻木城跡・士屋敷跡の保存運動だけでなく、妻木町の町おこしという側面を持っています。多くの住民が郷土を愛し、妻木の歴史を誇りに思う土壌作りが、歴史景観を守り後世に伝えることになると私達は考えています。そして具体的には次のような活動を実践してきました。

3.今後の課題
会が発足して10年が経過しました。しかし今後の活動には難問が山積みしています。妻木城跡の保存運動にとって、史跡指定地の大部分が私有地である事は大きな課題です。また城の再建など観光資源として活用をという声があるのも事実です。
石垣が、草刈りによって何十年ぶりに姿を現わしました。自分達の目で見ることによって私達は妻木城跡を再認識したわけです。
そして、秋の正式発会を目標に草刈り作業、看板の設置、会員募集などの事業が動き出しました。10月29日発会式を迎え、「妻木城址の会」が誕生しました。
そんな中で妻木城址の会は平成7年2月24日に準備会が発足し、史跡の草刈り作業を町民に呼びかけ、県道の傍らにありながら、雑木林となって誰の目にも触れなかった

妻木城跡や士屋敷跡の草刈りや登山道の整備、案内板標識の設置や補修
妻木公民館に併設された郷土資料室の運営
資料の保存や収集、古文書などの解読作業などの調査活動
妻木城跡や郷土資料室の見学者の案内
手作りよろい教室や歴史講座などの実施
毎年おこなわれる火縄銃の実演や、妻木さんサミット・杜のかがり火コンサートなどイベントの実施
機関誌の発行や出版物、絵はがきの作成などの普及活動

会員は妻木町の住民を主体として、土岐市内外の賛同者及び全国の「妻木」姓の皆さんにご支援いただいています。
しかし会の主目的は歴史的景観の後世への継承であり、短絡的な観光開発では無いことをどう理解してもらうか、保存と活用を両立させながら今後どういう青写真を描いていくのか、地元の声を聞きながら会の方向性を示す時期にきていると考えています。また活動は長期間にわたって地道に続けてこそ意味があるものとなります。打ち上げ花火に終わることなく、地域住民の理解と協力を得られる活動が持続できるかに会の成否がかかっています。今後とも妻木城址の会の活動にご理解、ご支援をお願いいたします。